私はMOA美術児童作品展の実行委員長を務めております。この児童作品展は、MOA美術館・箱根美術館の創立者である岡田茂吉先生の「美術教育こそ今後は大いに奨励しなくてはならない」との考えに基づき、児童の感性や情操を養い、豊かな心を育てることを目的に毎年実施しています。ところが、昨年は新型コロナウイルス流行により中止となってしまいました。
今年度の開催をどうするか、と関係者の皆様で検討会議を開きました。昨年はコロナがどういうものかわからず全て中止となっていましたが、その後様々なデータにより、「三密」を避けて感染予防対策をしっかり行えばイベントも開催可能となり、新しい様式の中で行事が戻りつつあります。今年も不安な声はありましたが、やはり子どもたちの熱意を繋げたいとの思いで開催することにしました。
さらに昨年の反省点を検討し、内容の詳細を話し合いました。『〇〇賞を増やしてはどうか、作品の募集は応募したい児童全てを受け入れる、お世話をかける小学校の先生の手間をいかに減らすか、協賛金を集めるにはどのようにするか、展示・表彰式はどのような内容で開催するか等々』かなり具体的に検討していきました。さらに今年は作品についての感想文も付けてもらうことにしました。
年々、絵画も習字も応募作品が増えてきました。感想文を書いてもらうことで、どんな体験や感動を作品にしたのかがわかり、家族との絆も深まります。更にこの児童作品展で奨励賞に輝くと全国展に出品されます。これから会場の手配や募集要項の印刷など、計画が進んでいきます。児童が創作活動を通して、地球環境や他者に対する思いやりの心を育むことを願って進めていきたいと思います。